ストックドッグ

KatoTakahiro。金融系の会社で働くSEが株やPython、その他諸々について書いています。サービスも運営してます→http://fmbrain.work

ざっっくりXBRL ~XBRLとは?何であるの?どうやって読むの?~

XBRLとは

財務系の書類を作成、流通させることを目的にXMLをベースに標準化された言語です。

こういった書類ってPDFのようなテキストベースなイメージがありますが、テキストベースだと人の目でしか基本は読めないので流通しにくいです。

ステマティックに情報を取得可能にしよう、という目的です。

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なんでXMLじゃだめなの?

よくわからん形式作んなよと。

思うかもしれませんが、XBRLがあることには合理的な理由があります。


簡単に言うと、XMLを財務系にカスタマイズさせたものです。


もう少し細かい説明をすると、

重要なのはxmlがベースであるということ。

xmlは自由にタグを定義することができます。


htmlはタグとしてbodyやtitleが定義されています。

新しく自分でhandやfaceというタグを定義することはできません。


繰り返しになりますが、xmlはhtmlとは違い、自由にタグの定義が可能です。

財務系のドキュメント、例えば有価証券報告書xmlを作成しようとすると、売上はSale、会社名はCompanyNameのようにタグを定義すると便利です。


有価証券報告書は、たくさんの会社が作成します。

xmlベースで有価証券報告書をたくさんの会社が作ることになり、ある会社は売上をSaleとして定義し、ある会社はUriageのように定義するとします。

こうなると、xmlベースでせっかく作成しても、情報の取得しにくさはあまり変わりません。

いろんな会社の情報を横断的に取得したいものです。


なので、売上はSaleにして!というルールを統一します。

これがXBRLです。


財務系に使われる単語を網羅して、これはこのタグ!あれはこのタグ!のように一覧を作成しています。

この一覧に従って作成されたものがXBRLです。

XBRLのざっっっっっくりイメージ

定義しているタグは私が勝手にわかりやすさベースで作ったものです。

<CompanyInfo>
	<CompanyName>TOYOTA</CompanyName>
	<CompanyCode>7203</CompanyCode>
</CompanyInfo>
<Performance>
	<Sale>9999999</Sale>
</Performance>


XBRLのやりたい事は、1つ1つの情報にタグをつけてあげるということです。

例えば、会社名ならCompanyNameという風に。

上のタグを全部、日本語で表したら以下になります。

<会社情報>
	<会社名>TOYOTA</会社名>
	<会社コード>7203</会社コード>
</会社情報>
<業績>
	<売上>9999999</売上>
</業績>


全てを1つの階層にまとめると、情報にまとまりがないので、

ある程度のまとまりでグループを作って階層化しています。


会社名や会社コードは、会社情報というグループ、という風に。


これだけグループ化、タグ付けされていれば、システム的にも情報の取得がしやすいです。


タクソノミ

財務系に使われる単語を網羅して、これはこのタグ!あれはこのタグ!のように一覧を作成しています。

さきほど、財務系単語とタグが紐付けられている一覧の存在をほのめかしましたが、その一覧の名前が「タクソノミ」です。


英語でTaxsonomy、分類法という意味です。


タクソノミは、金融庁のHPからゲットできます。

2018年版EDINETタクソノミの公表について

# 上のURL開くと、色々とリンクがあるけど、以下の名称がタクソノミの一覧!
タクソノミ要素リスト(EXCEL:6,291KB)


毎年更新されてます。

最新版は2018年度版です。


開くとこんな感じ。

f:id:doz13189:20180922152222p:plain


色々と目次がありますが、右のシートの方に一覧があります。

こちらがタクソノミ本体。

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シートが分かれているのは様式別にExcelシートが用意されてるためです。

会社は有価証券報告書を提出するときに、金融庁が定めるフォーマットに従って作成しないといけません。

これが様式と言うやつです。

様式別にExcelシートが用意されているので、量が多めになっていますが、あまり気にしなくていいと思っています。


基本的には、財務系の書類に記載がある単語は、このExcelの中に対応するタグがあります。

そして、そのタグがXBRLには使われています。

XBRLの読み方

例えば、EDINETで三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社が運用するジャパン・グロース・ファンドの有価証券報告書を見てみました。

投資方針について記載がある部分を見ています。


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XBRLはEDINETからダウンロード可能です。

そして、投資方針に対応する部分がXBRLにもあります。


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投資方針は、InvestmentPolicyHeadingというタグの中に書かれていることもわかります。

# 投資方針が書かれているタグ
<jpsps_cor:InvestmentPolicyTextBlock contextRef="FilingDateInstant">


タクソノミにも投資方針はInvestmentPolicyHeadingというタグを利用することが書かれています。


f:id:doz13189:20180922152608p:plain

まとめ

ざっくりXBRLについて書いてみました。


以上、終わり!