クラウドファンディングの成功率ってどのくらい?徹底調査してみた
目次
- クラウドファンディングとは?
- 日本の有名ドコロは?
- どんなプロジェクトにどのくらいお金が集まっているかを調査します!
- 調査結果
- 以上が集計結果でした
- お金が足りない...はもう言い訳にならない
- 最後に告知(2回目だけどワクワク)
- 本記事の調査方法(コード記載あり)
クラウドファンディングとは?
クラウドファンディング(英語:Crowdfunding)とは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である。 ソーシャルファンディングとも呼ばれる。
近年多くの注目を集めており、大きな資本を持っていなくてもアイデアや技術を売りに資金を募ることができます。
個人やベンチャーからすると、大きな参入障壁である「資金」という壁を取っ払うことができる革新的なサービスです。
キングコング西野さんの絵本や堀江さんのロケットなどはマスコミ含め大きな話題を読んでおり(炎上も含め)、かくいう私自身もクラウドファンディングを利用しています。
私が立ち上げているのプロジェクトはこちら!
camp-fire.jp
年々支援額は伸びており、今後が非常に楽しみな分野であります。
日本の有名ドコロは?
現在、日本のクラウドファンディング業界のトップを走るのがCAMPFIREです。
なんと言っても圧倒的な手数料の低さ。引くほど低い。
シェアを見ても、52%と2位に倍の差をつけていますね。(2017年1月時点)
もうすでにニッチ戦略に走っている他のクラウドファンディングサイトもあり、業界内の勝負は決まったかな、と思えるほどの独走ぶりです。
クラウドファンディングはじめるならCAMPFIRE、と言える状況ではありますが、それでもクラウドファンディングをはじめてさらに他人から資金を援助してもらおうと思うと苦労は多いです。
ということでCAMPFIREを徹底調査し、
どんなプロジェクトにどのくらいお金が集まっているかを調査します!
調査方法は、CAMPFIREのサイトに掲載されている全てのプロジェクトの支援総額と支援者人数を集計し、それらをカテゴリごとに平均、一人あたりの平均支援額などを計算しました。
注意点として、CAMPFIREのサイトに掲載されており、かつSUCCESSしているプロジェクトが対象という点です。
※支援額がプロジェクトの目標金額に達することをCAMPFIREではSUCCESSと言う
プロジェクトは立ち上げても、必ずCAMPFIREのサイトに掲載されるわけではありません。
注目度や内容を加味して、CAMPFIREの運営者がサイトに掲載するかどうかを決定するみたいです。
そのため、掲載されているものは人気なものが多いです。
人知れず、目標金額に届かずに消えていくプロジェクトは多数あるとは思いますが、それらはなかなか調べることはできません。(CAMPFIREにはデータとして蓄積されているでしょうが...)
調査結果
CAMPFIREにはカテゴリが存在します。
プロジェクトがどのカテゴリに属するかを表しています。
カテゴリ一覧
アート、音楽、演劇・ダンス、プロダクト、テクノロジー、ゲーム、ジャーナリズム、コミュニティ、フード、写真、ファッション、映画・映像、本・漫画、アニメ、パフォーマンス、スポーツ、ビジネス、お笑い・ネタ、ソーシャルグッド
支援総額が大きいプロジェクトランキングTOP10
順位 | カテゴリ | 支援総額 | 支援者人数 |
---|---|---|---|
1 | アート | 46,373,152円 | 6257人 |
2 | プロダクト | 30,455,500円 | 1250人 |
3 | コミュニティ | 27,040,400円 | 141人 |
4 | スポーツ | 20,209,000円 | 473人 |
5 | プロダクト | 15,043,000円 | 244人 |
6 | ミュージック | 14,826,200円 | 693人 |
7 | ビジネス | 13,646,000円 | 254人 |
8 | ミュージック | 11,855,553円 | 754人 |
9 | プロダクト | 10,611,600円 | 269人 |
10 | ソーシャルグッド | 10,007,091円 | 2,974人 |
一位はなんと5000万近く集めているようです。驚愕。
トップ10は一本超えのモンスター級ばかりが並んでいますね。
平均支援額・平均支援者人数
プロジェクト一本あたりの平均支援額、平均支援者人数を見てみましょう
平均支援額 | 平均支援者人数 |
---|---|
1,051,861円 | 99人 |
ひとつのプロジェクトを立ち上げた時、平均で100万円くらい集まり、平均して100人くらいの人が支援をしてくれることになります。
これはあくまでも平均です。
キンコン西野さんや堀江さんなどの化物プロジェクトが平均を大きく釣り上げています。
気になるプロジェクト成功率
一体クラウドファンディングを立ち上げた際の成功率はどのくらいなのでしょうか?
しかし、プロジェクト成功率は公表されていません。
そのため、プロジェクト成功率は私自身の予測であり、正式な数値ではありません。
ただ、けっこうな妥当な数値かなぁ、と思います。
サイトに掲載されており、SUCCESSしているプロジェクトは1117件でした。
そして、CAMPFIREがいかにすごいかを自慢しているページに、「19カテゴリで4200件以上」のプロジェクトが立ち上がっていることが書かれています。
この4200件という数値はおそらく成功or失敗に関わらない全てのプロジェクト数だと思われます。
ということは。
SUCCESSプロジェクト数1117件 ÷ 全プロジェクト数4200件 = 26%
プロジェクトの成功率は26%ということになります。
予想より高いですね...
ただ、気をつけたいのはCAMPFIREではプロジェクトを立ち上げる前に、プロジェクトの審査があります。
審査に通過したものでないと、プロジェクトとして立ち上がりません。
もし、この成功率があっていたなら、審査を通過してもなお、4分の1しかプロジェクトは成功しないことになります。
支援額を可視化
これは、横軸に支援額、縦軸にプロジェクト数をとったグラフです。
可視化する際に、支援額の大きいプロジェクトの上位20位くらいを省いています。
でないと、1番支援されているものは5000万ほどだったので支援額の小さいものがグラフで目視できないレベルに押し込められてしまいます。
100万円以下がかなり盛り上がっていることがわかります。
大きなプロジェクトを除けば、だいたい平均支援額は60〜80万くらいになりそうです。
支援者の人数を可視化
縦軸にプロジェクト数、横軸に支援者数をとっています。
こちらも100人以下が盛り上がっており、支援者は40人程度のプロジェクトが一番多いようですね。
グラフの横軸にpatronと書いてあるのは、CAMPFIREでは支援者のことをパトロンと呼ぶからです。
支援者と支援額の関係を可視化
縦軸に支援者数、横軸に支援額をとっています。
散布図は右に流れていっていますね。
このことから、だいたい支援者数100人くらいからは伸びづらくなっていることがわかると思います。
なので、支援額が大きいプロジェクトを立ち上げる際は、支援者を増やすというよりかは、一人あたりの支援額を伸ばすことを意識した方が良いということが言えますね。
カテゴリごとの平均支援額
画像小さくてすみません、右からアート、音楽、演劇・ダンス、プロダクト、テクノロジー、ゲーム、ジャーナリズム、コミュニティ、フード、写真、ファッション、映画・映像、本・漫画、アニメ、パフォーマンス、スポーツ、ビジネス、お笑い・ネタ、ソーシャルグッド、です。
ダントツの一位は平均160万円のアニメでした。
パフォーマンスは平均30万ほどで、最下位でした。
この数値は、良く支援されているか否かを表すものではありません。
「アニメ」は制作にそれだけコストがかかるため平均支援額が大きく、「パフォーマンス」は比較的安価であるということを意味しています。
もし、これからクラウドファンディングをはじめる方がいればこの数値は大いに参考になるはずです。
例えば、アニメを作ろうとした時、目標金額を200万にすると他のプロジェクトよりもかなり高くなります。
そんなにアニメ作るのにお金いるの?と支援者が疑問に思ってしまうと支援はなかなかもらえません。
もし、無難に支援を集めたいなら平均を大きく超える目標金額の設定は控えたほうが良いと思います。
もちろん、プロジェクトによって必要な支援が額はまちまちなので、あまり平均にとらわれる必要はありませんが。
カテゴリごとのプロジェクト数
これはカテゴリごとのプロジェクト数を可視化しており、どのカテゴリでのプロジェクト立ち上げが多いかがわかります。
音楽は200件、ソーシャルグッドは150件と多いです。
コミュニティも100件ほどありますね、地方創生が活発であることが見てとれます。
アニメ、テクノロジー、コメディが10件程度と少ないですね。
この2つのプロジェクトは成功率が低いから成功数も低いのか、はたまた、異なるクラウドファンディングサイトでのプロジェクト立ち上げが多いのか。
もし、後者であればCAMPFIRE運営の課題でもありますね。
たしか、アニメ専門のクラウドファンディングがあったと思うので、もしかしたらそちらに流れているのかも。
この可視化で、どのカテゴリが盛り上がっているかがわかりますね。
プロジェクトの成功率は、このプロジェクト本数とある程度比例するんじゃあないでしょうか。
支援する人は自分の好きなカテゴリを選ぶことが多いので、CAMPFIREではミュージックに関心がある支援者が多い、ともとれます。
カテゴリごとの一人あたり支援額
だいたい1万円くらいが平均みたいです。
アニメを除けば、ほかはあまりカテゴリごとに偏りはなさそうですね。
以上が集計結果でした
資金のない個人、ベンチャーからするとクラウドファンディングは夢を叶えるチャンスを大きく広げるサービスです。
ただ、多くのプロジェクトを見ると、立ち上げている本人のワクワクは伝わってくるものの、大切な資金の使い道やなぜ必要なのか、プロジェクトの魅力が十分に伝わっていないものも散見されます。
人から支援を受けるには、ワクワクだけでは足りないのが事実です。
私も立ち上げた経験があるので、とてもワクワクする気持ちはわかります。本当にワクワクします。プロジェクトを友達に告知するのが楽しくて楽しくて仕方がありません。
ワクワクは悪くはないのですが、少し冷静になって分析することは大切かなぁ、なんて思います。
そういった時に、どのくらいの規模のプロジェクトが成功しやすいのかや、どのくらいの支援者を目標にすればいいか、などの目標設定や分析に今回の調査結果を使用していただければ幸いです。
お金が足りない...はもう言い訳にならない
成功率は4分の1程度と調査結果を発表しました。
プロジェクト審査含めの成功率4分の1ですが、資金を集めるハードルは以前より格段に下がっているでしょう。
学生でも20代でも団塊の世代でも誰でも挑戦できるのがクラウドファンディングの良いとろこです。
どんどん挑戦しましょう!
この記事を読んだことを機会に、クラウドファンディングをやってみよう、と思ってくれる人がいれば私はとても嬉しいです。
一人でも多くの人がクラウドファンディングで何か楽しいことに挑戦することで日本の将来は明るくなっていくと思います!!
本記事の調査方法(コード記載あり)
PythonライブラリのBeautifulSoup4でサイトから数値をスクレイピングさせてもらいました。(サーバーに負荷かけてすみません)
スクレイピングした数値をpandasで計算しています。
以下が使用したコードです。(ベタうちですみません)(スクレイピングに使用したコードのみ)
スクレイピングする際は、time.sleep(1)で相手サーバーに配慮しましょう!!
import requests from bs4 import BeautifulSoup import time import pandas as pd #CAMPFIREのプロジェクトの分類 category_box = ["art", "music", "dance", "product", "technology", "game", "journalism", "community", "food", "photo", "fashion", "movie", "publishing", "anime", "performance", "sports", "business", "comedy", "social-good"] money_list = [] patron_list = [] category_list = [] #CAMPFIREのサイトは、分類ごとに分かれている #URLの一番右を見ればそれがわかる #この分類ごとにページをクローリングする #https://camp-fire.jp/category/art for category in category_box: page = 1 while True: time.sleep(10) #分類ごとのURL作成 url = "https://camp-fire.jp/category/" + str(category) + "/most_funded/page:{0}" #CAPFIREのサイトにリクエストを送り、レスポンス(サイト情報)を受け取る r = requests.get(url.format(page)) #分析が可能な形に変換 soup = BeautifulSoup(r.content, "html.parser") #各プロジェクトは、<div class="overview">に囲われている #ページ内のプロジェクト数がゼロであれば、while文をbreakする if len(soup.select(".overview .total")) == 0: print(len(soup.select(".overview .total"))) break #各プロジェクトの情報を取得 #取得する情報は、「SUCCESS」かどうか、現在集まっているお金、パトロンの人数 for money, patron, success in zip(soup.select(".overview .total"), soup.select(".overview .rest"), soup.select(".success-summary span")): print(success.string) if success.string == "SUCCESS": money_split = str(money).split("</small>") money_split_split = money_split[1].split("円") money_processing = money_split_split[0].split(",") real_money = "".join(money_processing) print(real_money) money_list.append(real_money) patron_split = str(patron).split("</small>") patron_split_split = patron_split[1].split("人") patron_processing = patron_split_split[0].split(",") real_patron = "".join(patron_processing) print(real_patron) patron_list.append(real_patron) category_list.append(category) print("----------------") page += 1 #CSVに出力するためにDataFrame形式にまとめる df = pd.DataFrame({"money" : money_list, "patron" : patron_list, "category" : category_list}) df.to_csv("campfire.csv", index=False)